結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
 アイスコーヒーを飲み終え、ラウンジをあとにした。

 駐車場に止めていた彼の車に案内され、早速マンションを目指す。
 電車で来ているものと勝手に思っていたため、エントランスでポーターが彼の車を横づけしたときには慣れない扱いにソワソワした。

 外国産の黒い高級車に乗ること四十分、到着したのはグレーのタイル張りの外観が重厚な印象の低層型マンションだった。綺麗に手入れされた青々とした植栽が彩を加えている。

 地下駐車場に車を止め、エレベーターで一階エントランスロビーへ上がる。ベージュを基調とした落ち着きのある壁と、輝く大理石のフロアが史花たちを出迎えた。
 奥行きがあり、天井も高い。真正面にあるカウンターに黒いスーツを着た女性がひとりいた。

(もしかして、このマンションにはコンシェルジュがいるの?)

 外観やロビーの様子から高級なのは予想がついたが、噂にしか聞いたことのないコンシェルジュがいるとは思いもしなかった。


「津城様、おかえりなさいませ」


 丁寧に頭を下げた女性の目線が隣を歩く史花に注がれ、優成が立ち止まる。
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