結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?

 夜勤のスタッフから引継ぎを終え、史花は様々な解析図や天気図を細かく確認しながらフライトプランを作成していた。

 梅雨入りしたばかりの今日は、雲の合間に青空が見える。とはいえ前線の上には小さな低気圧が発生するため、梅雨時は二~三日という短い周期で天気は変化し、ときには大雨となるときもあるため要注意だ。
 雨だけが原因で欠航にはならないが、視界が極端に悪いときや台風や雷が発生しているなど、プラスアルファの要因ではあり得る。

 そうして黙々とフライトプランを作成していると周りが急に騒がしくなり、不意に背後から声をかけられた。


「津城、さん」


 振り返ってはじめて、呼び方がたどたどしい理由がわかった。優成だったのだ。声だけで判別できるような関係性はまだ築いていない。


「は、はい」


 なにか私的な用事か、それとも仕事上の話か。

(朝食を一緒に食べられなかったことのお詫び? でも、それは今日にはじまったことじゃないから今さらだし……。それじゃフライトの件でなにか?)
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