あなたが運命の番ですか?
 アタシは、橘先輩の部屋のインターホンを押す。
 その後、2分近く待ったが、出てくる気配がない。
 アタシはもう1度インターホンを押す。しかし、やはり出てこない。
 先輩から呼び出したのに、まさかの留守!?
 アタシは電話しようと、スマホを取り出した。
 その時、玄関の扉が開いた。

 扉が開いた瞬間、嗅いだことのある甘い香りが辺りに充満した。
 脳がビリビリと痺れ、全身の血が駆け巡る。
 アタシは無意識のうちに、玄関扉をこじ開けて中に押し入った。
 
 気が付くと、アタシは橘先輩の身体を壁に押し付けて、無理やり先輩の唇を貪っていた。
 激しく絡み合っているうちに、アタシの被っていたキャップが床に落ちる。
 もはや、今アタシが舌を絡めている相手が橘先輩なのかも分からないくらい意識が朦朧としている。
 甘い、先輩の匂いも、舌も――。
 
 アタシは唇を離すと、自分が押さえつけている橘先輩の姿を見てギョッとした。
「なんて、かっこ、して……」
 橘先輩は、ボタンを全て外してはだけた状態のパジャマだけを羽織り、下は何も穿かずにほとんど裸の状態だ。剥き出しになった性器は勃ち上がって揺れており、乳首は真っ赤に腫れている。
 先輩は頬を赤くして涎を垂らし、物欲しそうな顔でアタシを見つめている。

「まさか、ヒート、ですか……?」
 今にも理性が飛びそうになる中、アタシは必死に自我を保って問いかける。
 脳が溶けそうなほど甘ったるい香りが、部屋中に充満している――。橘先輩との初対面の時に嗅いだ発情フェロモンと全く同じ香りだ。
 橘先輩はヒート状態なのに、抑制剤を飲んでいないらしい。

 すると、橘先輩は服の上からアタシの性器を撫であげた。
「いっ――!?」
 性器に触れられた瞬間、全身にビリビリッと電流が走った。
「――()れて?」
 橘先輩はアタシの性器をスリスリと撫でながら、猫撫で声で強請る。
 
「はっ?いや、まだ……」
 まだ慣らしていないのに……。
 そう言おうとした矢先、橘先輩は壁についていたアタシの手を取って自身の後孔にあてがう。
 先輩のソコは、蜜が溢れてトロトロになり、物欲しそうにヒクヒクしていた。
「さっき、自分でおしり、いじってたから……」
 悩ましげな顔でアタシに擦り寄る橘先輩を見た瞬間、アタシの中でかろうじて残っていた理性が吹き飛んだ。

「あっ――!?」
 アタシは橘先輩の身体を無理やり裏返し、壁に手を付けさせ、お尻を突き出させる。
 震える手でアタシは自分のスキニーパンツを下着ごと下ろし、いきり立ったモノを先輩のナカに奥まで突っ込んだ。
「んあぁっ――!?」
 挿入した瞬間、橘先輩は大きく痙攣しながらナカで達した。
 
 余韻でビクビクと震えている橘先輩にも構わず、アタシは欲望の赴くままに腰を振る。
「あ゛ッ――!?だ、だめっ……、しんじゃ――」
 橘先輩はいつもの猫を被ったような喘ぎ声ではなく、下品な獣のような声を上げる。
「挿れてって、言ったのは、先輩なのに……」
 アタシが橘先輩の弱いところを突き上げるたびに、先輩は下品な声を上げてナカで絶頂する。
 
「はっ……、先輩ばっかり、ずるい……。アタシ、まだ、いっかい、も……」
 そう言っているうちに、だんだんとアタシも込み上げてきた。
 アタシは自身の絶頂に向けて、橘先輩の腰を掴んで激しく腰を打ち付ける。
「あッ――!?」
「あぁっ――」
 アタシは先輩のナカに欲望を放った。

 全部注ぎ込んでやろうと、アタシは余韻に浸りながら橘先輩のお尻に自身の腰を押し当てる。
 徐々に橘先輩が放っていたフェロモンの香りが薄くなり、アタシの意識が正常に戻り始めた。
 すると、橘先輩は突然力が抜けたようにズルズルと倒れ込み始め、アタシは慌てて先輩の身体を後ろから抱き留める。
 マズい。乱暴にしすぎたかもしれない。

「先輩、だいじょ――」
 すると、橘先輩は振り返って、アタシの唇に自身の唇を押し当ててきた。
 最初は面食らったが、すぐに受け入れて優しく先輩の唇を啄んだ。

「こし、たたない……。ベッドまで、はこんで……」
 トロンとした顔をしながら、弱々しい声で橘先輩は懇願する。
 アタシは呆れながら、先輩を抱え上げる。
 
「もう……、何でこんなことするんですか?」
 先輩がヒート状態で抑制剤を飲まなかったのは、絶対にわざとだ。
「だって……、ヒート中のせっくす、きもちいじゃん……」
「それは……、否定しませんけど……」
 正直、ヒート状態での行為は、通常の行為の倍以上の快感が得られる。

「ベッドついたら、もういっかい……」
「えぇっ!?……いっ、1回だけですよ?」



 結局、その後橘先輩が満足するまでアタシは5回も付き合わされ、危うく脱水状態になるところだった。
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