あなたが運命の番ですか?
「そんなにアタシが橘先輩のせいで好奇の目に晒されるのが嫌だって言うなら……、そんなの気にならないくらい、先輩と一緒に居られて『幸せ』だって、先輩のことが『好き』だって言いまくりますよ!先輩がアタシに『ふさわしくない』なんて、2度と言わせません!先輩とアタシは『お似合い』だって、心の底から思えるくらい先輩を幸せにしてみせますし、アタシだって幸せになります!アタシが守ってみせる……。先輩を苦しめる言葉を、先輩を幸せにできるアタシの言葉で上塗りしてみせます!これが、アタシの責任の取り方です……」
「星宮さん……」
橘先輩の強張っていた顔が、徐々に解れていく。それと同時に、先輩の心が解れていくのも見て取れる。
「先輩、アタシのことが『好き』か『嫌い』か――、ただそれだけを答えてください。それ以外の返事は受け付けません。もし、『嫌い』と答えたら、アタシはこの手を離しますし、もう2度と先輩の前に現れません。だけど逆に、『好き』と答えたら、先輩はアタシの恋人になってもらいますし、大人になったらアタシの番になってもらいます」
アタシは真剣に、真っ直ぐ橘先輩の目を見る。
橘先輩は顔を真っ赤にして、狼狽えるように目を泳がせ、口をモゴモゴさせながら俯く。
その間、アタシの心臓は緊張で壊れそうなくらいバクバクと大きく鼓動していた。
「――き」
橘先輩は、聞き取れないくらいか細くて小さな声で、何かを呟いた。
「ん?」
アタシは耳を傾ける。
「……す、好き」
橘先輩の消え入りそうな声が、アタシの耳に届いた。その瞬間、アタシの胸は高鳴った。
「本当ですか!?」
アタシは興奮気味に、橘先輩の顔を覗き込む。
橘先輩は顔を真っ赤にして、視線を逸らしながら、コクッと小さく頷いた。
「嬉しい!!!」
アタシは思わず橘先輩の小さな身体を抱きしめた。
橘先輩は「わっ!?」と小さく声を上げると、それきり黙り込んでしまう。
重なり合った胸からはドキドキという心臓の鼓動、そして全身からは熱くなった体温が伝わってくる。
嬉しい。好きな人に「好き」と言われることが、こんなにも嬉しいことだなんて知らなかった。
「――がい」
「ん?」
アタシの耳元で、橘先輩は聞き取れないくらい小さな声で何かを呟いた。
「僕のこと、番にしてくれるって、ほんと?」
橘先輩は声を震わせながら尋ねる。
「本当ですよ」
「ぼ、僕なんかで、良いの……?」
「『なんかで良い』じゃありません。先輩じゃなきゃダメなんです」
アタシの耳元で、橘先輩の息を呑む声が聞こえた。その声は、とても嬉しそうだ。
そして、橘先輩はゆっくりとアタシの背中に両手を回す。先輩が持っているペットボトルがブラウス越しにアタシの背中に触れて、少しヒヤリとする。
「……嬉しい」
橘先輩は、震える声で呟く。
アタシたちはしばらくの間、そのまま抱き合っていた。
「星宮さん……」
橘先輩の強張っていた顔が、徐々に解れていく。それと同時に、先輩の心が解れていくのも見て取れる。
「先輩、アタシのことが『好き』か『嫌い』か――、ただそれだけを答えてください。それ以外の返事は受け付けません。もし、『嫌い』と答えたら、アタシはこの手を離しますし、もう2度と先輩の前に現れません。だけど逆に、『好き』と答えたら、先輩はアタシの恋人になってもらいますし、大人になったらアタシの番になってもらいます」
アタシは真剣に、真っ直ぐ橘先輩の目を見る。
橘先輩は顔を真っ赤にして、狼狽えるように目を泳がせ、口をモゴモゴさせながら俯く。
その間、アタシの心臓は緊張で壊れそうなくらいバクバクと大きく鼓動していた。
「――き」
橘先輩は、聞き取れないくらいか細くて小さな声で、何かを呟いた。
「ん?」
アタシは耳を傾ける。
「……す、好き」
橘先輩の消え入りそうな声が、アタシの耳に届いた。その瞬間、アタシの胸は高鳴った。
「本当ですか!?」
アタシは興奮気味に、橘先輩の顔を覗き込む。
橘先輩は顔を真っ赤にして、視線を逸らしながら、コクッと小さく頷いた。
「嬉しい!!!」
アタシは思わず橘先輩の小さな身体を抱きしめた。
橘先輩は「わっ!?」と小さく声を上げると、それきり黙り込んでしまう。
重なり合った胸からはドキドキという心臓の鼓動、そして全身からは熱くなった体温が伝わってくる。
嬉しい。好きな人に「好き」と言われることが、こんなにも嬉しいことだなんて知らなかった。
「――がい」
「ん?」
アタシの耳元で、橘先輩は聞き取れないくらい小さな声で何かを呟いた。
「僕のこと、番にしてくれるって、ほんと?」
橘先輩は声を震わせながら尋ねる。
「本当ですよ」
「ぼ、僕なんかで、良いの……?」
「『なんかで良い』じゃありません。先輩じゃなきゃダメなんです」
アタシの耳元で、橘先輩の息を呑む声が聞こえた。その声は、とても嬉しそうだ。
そして、橘先輩はゆっくりとアタシの背中に両手を回す。先輩が持っているペットボトルがブラウス越しにアタシの背中に触れて、少しヒヤリとする。
「……嬉しい」
橘先輩は、震える声で呟く。
アタシたちはしばらくの間、そのまま抱き合っていた。