あなたが運命の番ですか?
「ハァ……、ハァ……」
 私は絶頂の余韻に浸りながら、ぼんやりと天井を見つめる。
 すると、視界の端に、バスローブを脱ぐ優一郎くんの姿が映った。
 私は優一郎くんの姿が視界の中央に入るように、首を動かす。
 
 優一郎くんの裸体は、胸板が分厚くて、腹筋が少し割れていて、腕も胴体も引き締まっている。
 そして、私は視線を下のほうに向けた。
 
「――っ!!!?」
 ソレを見た瞬間、私は声にならない悲鳴を上げた。
 そして、真っ先に浮かんだ言葉が「デカい」の三文字だった。
 
 なにこれ!?こんなの、ナカに挿入るの!!?
 血管が浮き出て、今にもはち切れそうな優一郎くんのモノを凝視しながら、私はすっかり怖気づく。
 私は男性を――、いや、アルファ男性を舐めていた。

「……ははっ、確かにまじまじと見られると恥ずかしいね」
 優一郎くんは頬を赤らめて笑うと、ベッドを下りて、ソファの上に置いている自身のウエストポーチを漁る。
 そして、何か小さな箱のような物を持って戻ってきた。
 
「……さ、最初っからそのつもりだったわけじゃないけど、念のために、買っておいた……」
 顔を赤くして恥ずかしそうに口ごもる優一郎くんの手に握られているのは、どうやら避妊具の箱らしい。
 
「俺は寿々ちゃんと1つになりたい……。()れていいかな?」
 優一郎くんは、恐る恐る尋ねる。
 正直、優一郎くんのモノの大きさに怖気づいてはいるが、私も彼と同じ気持ちだ。
「もちろん、いいよ」
 私は頷いた。

「指、3本も挿入(はい)ったから、たぶん大丈夫だと思うけど……」
 優一郎くんは避妊具を自身に装着する。
 臨戦態勢に入った優一郎くんのモノは、指3本と長さも太さも比べ物にならないと思うけど……。私は、頭に浮かんだその言葉を飲み込む。
 
「いくよ?力抜いて……」
 優一郎くんは私の腰を両手で持ちながら、ゆっくりと挿入する。
 私はギュッと目をつむり、身構えた。
 
「んっ……、んんんっ……」
 指とは比べ物にならない圧迫感と、少しだけ裂けるような痛みを感じ、私は思わず全身に力が入りそうになる。苦しくて少し痛いけど、耐えられないほどではない。
「あっ……、きっつ……」
 目を開けると、優一郎くんは苦悶の表情を浮かべていた。

「寿々ちゃ……、大丈夫?」
 優一郎くんは私に覆い被さるような体勢となった。上半身を支えるためにシーツの上に突いている優一郎くんの両腕には、血管が浮き出ている。
 
「ん……、だいじょ、ぶ……」
「今、()()挿入ったから……」
「……へ?」
 まだ半分しか挿入ってないの!?
 私は、もう既にお腹いっぱいだ。

「寿々ちゃん……、ん……」
 すると、優一郎くんは私の不安を察したのか、シーツに肘を突いて、私に優しく口付けた。
「んっ……」
 何度も優しく啄むようにキスをする。
 キスをしていると、何やら甘い香りが私の鼻孔をくすぐった。
 
 蕩けるような、そして落ち着くような香り。
「どこかで嗅いだことがあるな」と思っていると、夜道で襲われそうになっているのを優一郎くんに助けられた時、彼のハンカチから漂ってきた香りだと思い出した。
 これって、もしかして優一郎くんのフェロモンの香り?そう言えば、アルファってオメガを落ち着かせたり、逆に性的興奮を誘発させるフェロモンを出すんだっけ?
 甘く落ち着くような優一郎くんの匂いを嗅いでいると、徐々に下腹部の苦しさと痛みが和らいでいった。
 
「寿々ちゃん、奥まで挿れてもいい?」
 鼻先を触れ合わせながら、優一郎くんが問いかける。
「うん……、いいよ」
 優一郎くんの匂いですっかり安堵した私は、コクッと頷く。

「んんっ……」
 徐々に内臓が押し上げられていく。それと当時に、下腹部にビリビリと甘い電流が走った。
「うっ……、全部、挿入ったよ……」
 優一郎くんは「ハァハァ」と吐息を漏らしながら、耐え忍ぶように耳元で囁く。
 
「あっ、あっ……」
 しばらくの間、私たちは互いに動かず、ただ重なり合い、抱きしめ合っていた。すると、徐々に私のナカが優一郎くんのモノに馴染んでいく。
 苦しい。だけど、それ以上にもどかしい。
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