※修正予定あり【ぺちゃんこ地味系OLだけど水曜日の夜はびしょぬれ〜イケおじの溺愛がとまらない!?〜】
夢じゃない!
チュンチュンと、小さな鳥の啼き声がきこえる。
窓辺に射しこむ朝陽がまぶしくて目が眩む桃瀬は、下腹部の違和感に眉を寄せた。なにより、石和の部屋で夜を明かしたばかりか、全裸で寄り添っている状況に硬直した。
……石和さんがなんで!?
あれっ?
ここ、わたしの部屋じゃない!
起きようにも起きあがれず、青ざめて表情をゆがめたが、昨夜の出来事を如実に語る室内の雰囲気に、ますます全身の筋肉が硬張った。桃瀬と石和の下着が洗濯スタンドに干してある。セックスをするさい、シーツに体液が染みこまないように敷いた厚手のバスタオルも、洗濯してあった。事後処理をする物音に気づかず熟睡した桃瀬は、バーカウンターへ視線を泳がせ、カクテルグラスに目をとめた。
……そうだ、わたしなんだか
急に酔って、石和さんと……
じぶんから誘惑した記憶がよみがえり、とんでもない既成事実が発覚した。……お、落ちつくのよ、わたし!
激しく鼓動する心音が忙しない。石和の耳まで伝わる気がして、なんとかベッドを抜けだそうとするが、先に目覚めていた石和が、まぶたをひらき、桃瀬の肩を引き寄せた。……きゃーっ!?
布団のなかで抱きしめられた桃瀬は、プチパニック状態だ。「おはよう」という石和の調子は、いつもと変わりなく落ちついていた。寝起きの顔を見られたくないため、両手で顔を隠したが、その手にキスをされ、一気に躰が熱くなる。
「い、石和さん……、顔が近いですっ。もっと離れてぇ……」
「緊張してる? かわいいね」
「だ、だって、わたし……、きのう、あんなこと……」
アルコールに酔って興奮した桃瀬は、ふしだらな言動が目立っていた。石和のほうで、対処に悩んだはずだ。結果としてベッドインしたが、「もしかして、つらかった?」と声を低める石和を不安にさせた。あわてて否定すると、「よかった。ふたりでお風呂にはいろうか。躰を洗ってあげるよ」といって、掛け布団をめくった。石和の全裸を直視できない桃瀬は、ずっと顔を隠していたが、お姫さまだっこをされてバスルームへ運びこまれた。「じ、じぶんでやりますっ」あたふたと背を向けると、こんどはうしろ抱きにされ、乳房をもまれた。
「い、石和さん……、だめぇ……」
「だめかい? 理乃ちゃんのここ、ピンとしてるけど……」
くりくりと乳首を指でもてあそばれてしまう桃瀬は、ズキッとした性交痛を感じて下腹部に手のひらを添えた。出血はしなかったが、浅いところを何度も擦られた感覚は鮮明に刻まれ、下肢がゾワゾワした。……あれって、気持ちよかったのかな? よくわかんないけど、石和さんと、ちゃんと最後までできたんだ……。わわっ、指、やだぁ……!
やさしく胸をもまれて声をがまんする桃瀬は、「わ、わかりましたぁ……、いっしょにはいります……」と、降参した。石和は「いい子だね」と耳もとでつぶやき、ふたりでシャワーを浴びる。バスチェアに股をとじて坐る桃瀬を見て、「それでは洗えないよ」と笑みを浮かべる石和は、腰にタオルを巻いて、石鹼を泡立てた。
「前は、じぶんで洗えますから……」
「遠慮しないで」
膝をパカッとひらかれ、女性器をのぞきこまれた。……なにこれ! めちゃくちゃ恥ずかしい!
躰を清潔に保つためシャワーを浴びる状況なのに、石和の指が動くたび、桃瀬は生理現象を抑制できず、トロトロとぬれだした。「理乃ちゃんは素直で感じやすい子だね」「や……、見ないで……」「恥ずかしがらなくていいよ。むしろ、ぼくはうれしいな。ちょっと、サービスしてあげよう」
ツプッと、中指を挿入された桃瀬は、一瞬腰が浮いた。クチュクチュとマッサージされ、ますます愛液が垂れてしまうと、泡立つ石鹼ごとシャワーで流された。慣れない戯れに「石和さんの、エッチ……」と、やや抗議した。すると、「ぼくの本能はまだ全開ではないよ」と、大胆な発言で桃瀬をたじろかせた。
「石和さんの本気って、どれくらいなんですか……」
「そうだな。ぼくとしては、二十代に負けない自信はあるよ。ひと晩で理乃ちゃんを抱きつぶせるくらい、現役だからね」
石和のことばに桃瀬の表情は硬張り、ゴクッと唾をのみこんだ。
✦つづく