ツレナイ彼×ツヨガリ彼女
片桐慶介２８歳。

広告代理店で営業業務をこなしている。
新規の契約をとることも、契約の更新をとることも得意な慶介は会社の中でも上位の成績で社長から表彰されたこともあった。

「片桐さん、ここ教えてほしいんですけど。」
新人の女性職員が慶介に声をかける。
「右の書類棚、下から２段目。オレンジのファイルに資料ある。」
「・・・あー・・はい。」
声をかけた女性職員は顔を引きつらせながら慶介のそばを離れた。

「どれ？」
そんな女性職員に声をかけたのは結城理香子。同じく２８歳。
慶介とならぶ成績で彼女もまた社長から表彰されたことがある。
新規の契約は慶介には及ばないが、理香子は取引先からの信頼があつく、更新やさらに展開するような契約をとるのを得意としている。

「これです。このソフトでイメージ作りたいんですが、うまくいかなくて。」
「あーこれはね」
気付けば理香子が慶介に声をかけた女性職員の席へ向かい、丁寧にフォローを始めた。
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