幼なじみは私の秘密の吸血鬼【マンガシナリオ】
第三話 甘えたがり
〇回想
アルト「姫花は“ただの”幼なじみじゃなくて、世界で一番大切な幼なじみなんだよね」
〇回想終了
〇夜、金曜日(二話の後)、姫花の家、姫花の部屋
姫花、お風呂上り
アルトのことを回想して一人でニマニマしている
姫花(あ~~~~~~~嬉しいっ!)
姫花(アルトが私のことあんなふうに思ってくれてただなんて……)
スキンケアしたりドライヤーで髪を乾かしたりしながら、顔をゆるませる姫花
姫花(……そもそも私のことを幼なじみって言ってくれたの、アルトからだったなぁ)
〇回想
幼稚園時代のアルトと姫花
姫花が男の子たちにいじめられていて、それを止めにきたアルト
アルト「なに俺の幼なじみいじめてんだぁあああ!」
小学生時代のアルトと姫花
友達ができなくて落ち込んでいる姫花に笑いかけるアルト
アルト「落ち込むなって! 友達なんてすぐできるし……それに幼なじみの俺がいるだろ!」
中学時代のアルトと姫花
男の先輩たちに絡まれている姫花を助けるアルト
アルト「先輩。俺の幼なじみに手ぇ出したら容赦しないんで」
〇回想終了
〇姫花の部屋
髪を乾かし終えた姫花
顔を赤くさせている
姫花(そうだ……)
姫花(アルトはいつだって私のこと幼なじみって思っててくれたじゃん)
姫花(高校生になったし、『ツガイ』なんかになっちゃったから、関係が変わっちゃうんじゃないかって焦ってたのは私の方だ……)
姫花(これからも、私とアルトは大事な幼なじみ同士だよ)
〇午前、土曜日、姫花の家、リビング
姫花、リビングのソファに寝転がり携帯ゲームでチャットをしている
相手はハント(狩夜)
タカヒメ『そこで彼が私のこと「世界で一番大切な幼なじみ」って言ってくれて、すごーーーく嬉しかったんです!』
ハント『へー。なんか青春って感じでいいね。俺、そういう小さい頃からの仲良しっていないから羨ましいな』
タカヒメ『幼なじみって思ってるのは自分だけなのかなって不安だったから、彼がそう言ってくれてとっても安心できたんです』
ハント『確かに幼なじみって、単純なようで複雑な関係かも。とくに男女なら』
タカヒメ『と言うと?』
ハント『友達とはまた違った長い付き合いの相手でしょ? しかも異性。俺だったらふとした時に意識しちゃうかも』
タカヒメ『意識って何をですか?』
ハント『ん? 相手が異性で、恋愛対象にもなるってことを』
姫花「れっ……!?」
ハントの言葉に驚きの声を上げる姫花
タカヒメ『で、でも私……幼なじみって言われたことが凄く嬉しくて……』
ハント『それはほら。自分たちの特別な関係が壊れなくて嬉しかったんでしょ? それがいつの間にか、恋愛関係っていう特別な関係になるパターンもあるわけで』
姫花(そ、そりゃ……幼なじみっていう特別な関係でいられることが嬉しかったわけだけど……)
タカヒメ『れ、恋愛とかは全然、そんなんじゃ……』
その時、家のチャイムが鳴る
慌てて一階の玄関まで急ぐ姫花
姫花、ドアを開ける
姫花「はー……い!?」
アルト「よお」
コンビニの袋を持ったアルトがいる
姫花「アルト!? どうしたの?」
アルト「今日暇だから姫花と遊ぼうと思って。姫花、暇ぁ?」
姫花「ふつー先にそれ訊かない? 暇って言えば暇だけど……」
アルト「よっしゃ。おじゃましまーす」
姫花「あ、ちょっと!」
アルト、ずかずかと上がり込む
姫花、後をついていく
リビングにいる二人
アルト「おじさんとおばさんは?」
姫花「買い物という名のデートしに行った」
アルト「へー。相変わらずラブラブだな」
姫花、ソファの上の携帯ゲーム機を見てハッとする
姫花(あ! ハントさんとチャットしてたんだった!)
慌ててゲーム機を持ち、チャットに戻る
姫花『ハントさんすみません! 友達が遊びに来ちゃって……』
ハント『あ、そうなの? じゃあダンジョン攻略はまた別の日にする?』
姫花『いやいや! 先にハントさんと約束してたし、友達ってさっき言ってた幼なじみなんです。だからあるていど放っておいてもいいっていうか……』
アルト「なー。プリン買ってきたけど食う?」
ソファの後ろから姫花を覗き込むように話しかけるアルト
振り返りながら驚く姫花
姫花「えっ、えーと、今はまだいいかな」
アルト「ふーん」
アルト、ゲーム機をチラリと見る
アルト「ゲームやってんの?」
姫花「う、うん。今日はフレンドのハントさんとダンジョン攻略する約束だったんだ」
姫花「アルトは好きにしてていいよ」
アルト「……わかった」
一度キッチンへ行き、プリンを持ち、スプーンを咥え、姫花に密着するように座るアルト
姫花「あ、アルト……あっちの椅子も空いてるよ?」
アルト「好きにしていいって言ったの姫花じゃん」
姫花「そ、そうだけど……」
アルト「俺が隣にいちゃ駄目なの?」
姫花「駄目じゃないけど……」
姫花、隣のアルトを意識してしまう
姫花(なんなんだこの甘えたがりの猫みたいなのは~~~!)
姫花(アルトってこんなに距離感バグってたっけ?)
姫花(いやいやいや、私が変に意識しすぎなんだ。私とアルトは大事な幼なじみ同士!)
姫花(よし! ゲームに集中!)
アルト「………」
プリンを食べながら、楽しそうにゲームする姫花を横目で見るアルト
ゲームに熱中する姫花に、内心ジェラシー
アルト「なあ」
姫花、ゲームに熱中しながら、
姫花「んー?」
アルト「そのハントさんって奴、男?」
姫花「リアルで会ったことないけど、雰囲気的に男の人だと思うよー?」
アルト「ふーん……」
アルト、姫花の肩に寄りかかる
目を丸くして驚く姫花
姫花「え、えっ、何……あ、あぁ~! 敵にやられる!」
アルト「………」
姫花、ゲームに一区切り入れ、アルトに向き直る
姫花「どうしたのアルト。なんか今日、変だよ?」
アルト「……わかんないけど」
姫花「けど?」
アルト「なんか嫌だ」
姫花「な……何が?」
しばらく沈黙
姫花(え~~~~? なんだろ……なんかしちゃったかなぁ)
アルト「……のが嫌だ」
姫花「え?」
アルト「姫花が俺以外の奴と仲良くしてるのが嫌だ」
唖然とした顔で固まる姫花
姫花「え、え……でもみちるとかとも仲良いよ?」
アルト「ハルトさんって奴は男なんでしょ?」
姫花「たぶんだけど……でもゲームのフレンドだし、悪い人じゃないし……」
アルト「今日もなんか……俺と姫花の時間、他の奴に奪われてる感じがして、嫌だ」
姫花「………」
姫花(だ、だ、駄々っ子かい!)
姫花(こんなアルト初めてなんだけど~~~!)
姫花(……でも)
姫花(なんだろ……ちょっと嬉しいような気がするのは……)
アルト、少し顔を赤らめ悔しそうにする
アルト「……わかってるよ、一方的なこと言ってるのぐらい」
アルト「でも嫌なもんは嫌なんだよ」
アルト「俺たちずっと一緒だったじゃん……」
姫花「アルト……」
姫花、優しくアルトの頭を撫でる
姫花「今日は……前からハルトさんと約束してたからさ……」
アルト「……うん」
姫花「代わりに明日はアルトと二人きりで遊ぶよ。どう?」
顔を上げるアルト
アルト「ホント?」
姫花「うん、約束」
姫花(私の幼なじみは……)
姫花(吸血鬼で)
姫花(実はけっこう甘えたみたいです)
指きりする二人
アルト「っていうか、あんまり長時間ゲームしてるとおばさんに言い付けるからな」
姫花「ひえっ。それだけはご勘弁を!」
アルト「姫花は“ただの”幼なじみじゃなくて、世界で一番大切な幼なじみなんだよね」
〇回想終了
〇夜、金曜日(二話の後)、姫花の家、姫花の部屋
姫花、お風呂上り
アルトのことを回想して一人でニマニマしている
姫花(あ~~~~~~~嬉しいっ!)
姫花(アルトが私のことあんなふうに思ってくれてただなんて……)
スキンケアしたりドライヤーで髪を乾かしたりしながら、顔をゆるませる姫花
姫花(……そもそも私のことを幼なじみって言ってくれたの、アルトからだったなぁ)
〇回想
幼稚園時代のアルトと姫花
姫花が男の子たちにいじめられていて、それを止めにきたアルト
アルト「なに俺の幼なじみいじめてんだぁあああ!」
小学生時代のアルトと姫花
友達ができなくて落ち込んでいる姫花に笑いかけるアルト
アルト「落ち込むなって! 友達なんてすぐできるし……それに幼なじみの俺がいるだろ!」
中学時代のアルトと姫花
男の先輩たちに絡まれている姫花を助けるアルト
アルト「先輩。俺の幼なじみに手ぇ出したら容赦しないんで」
〇回想終了
〇姫花の部屋
髪を乾かし終えた姫花
顔を赤くさせている
姫花(そうだ……)
姫花(アルトはいつだって私のこと幼なじみって思っててくれたじゃん)
姫花(高校生になったし、『ツガイ』なんかになっちゃったから、関係が変わっちゃうんじゃないかって焦ってたのは私の方だ……)
姫花(これからも、私とアルトは大事な幼なじみ同士だよ)
〇午前、土曜日、姫花の家、リビング
姫花、リビングのソファに寝転がり携帯ゲームでチャットをしている
相手はハント(狩夜)
タカヒメ『そこで彼が私のこと「世界で一番大切な幼なじみ」って言ってくれて、すごーーーく嬉しかったんです!』
ハント『へー。なんか青春って感じでいいね。俺、そういう小さい頃からの仲良しっていないから羨ましいな』
タカヒメ『幼なじみって思ってるのは自分だけなのかなって不安だったから、彼がそう言ってくれてとっても安心できたんです』
ハント『確かに幼なじみって、単純なようで複雑な関係かも。とくに男女なら』
タカヒメ『と言うと?』
ハント『友達とはまた違った長い付き合いの相手でしょ? しかも異性。俺だったらふとした時に意識しちゃうかも』
タカヒメ『意識って何をですか?』
ハント『ん? 相手が異性で、恋愛対象にもなるってことを』
姫花「れっ……!?」
ハントの言葉に驚きの声を上げる姫花
タカヒメ『で、でも私……幼なじみって言われたことが凄く嬉しくて……』
ハント『それはほら。自分たちの特別な関係が壊れなくて嬉しかったんでしょ? それがいつの間にか、恋愛関係っていう特別な関係になるパターンもあるわけで』
姫花(そ、そりゃ……幼なじみっていう特別な関係でいられることが嬉しかったわけだけど……)
タカヒメ『れ、恋愛とかは全然、そんなんじゃ……』
その時、家のチャイムが鳴る
慌てて一階の玄関まで急ぐ姫花
姫花、ドアを開ける
姫花「はー……い!?」
アルト「よお」
コンビニの袋を持ったアルトがいる
姫花「アルト!? どうしたの?」
アルト「今日暇だから姫花と遊ぼうと思って。姫花、暇ぁ?」
姫花「ふつー先にそれ訊かない? 暇って言えば暇だけど……」
アルト「よっしゃ。おじゃましまーす」
姫花「あ、ちょっと!」
アルト、ずかずかと上がり込む
姫花、後をついていく
リビングにいる二人
アルト「おじさんとおばさんは?」
姫花「買い物という名のデートしに行った」
アルト「へー。相変わらずラブラブだな」
姫花、ソファの上の携帯ゲーム機を見てハッとする
姫花(あ! ハントさんとチャットしてたんだった!)
慌ててゲーム機を持ち、チャットに戻る
姫花『ハントさんすみません! 友達が遊びに来ちゃって……』
ハント『あ、そうなの? じゃあダンジョン攻略はまた別の日にする?』
姫花『いやいや! 先にハントさんと約束してたし、友達ってさっき言ってた幼なじみなんです。だからあるていど放っておいてもいいっていうか……』
アルト「なー。プリン買ってきたけど食う?」
ソファの後ろから姫花を覗き込むように話しかけるアルト
振り返りながら驚く姫花
姫花「えっ、えーと、今はまだいいかな」
アルト「ふーん」
アルト、ゲーム機をチラリと見る
アルト「ゲームやってんの?」
姫花「う、うん。今日はフレンドのハントさんとダンジョン攻略する約束だったんだ」
姫花「アルトは好きにしてていいよ」
アルト「……わかった」
一度キッチンへ行き、プリンを持ち、スプーンを咥え、姫花に密着するように座るアルト
姫花「あ、アルト……あっちの椅子も空いてるよ?」
アルト「好きにしていいって言ったの姫花じゃん」
姫花「そ、そうだけど……」
アルト「俺が隣にいちゃ駄目なの?」
姫花「駄目じゃないけど……」
姫花、隣のアルトを意識してしまう
姫花(なんなんだこの甘えたがりの猫みたいなのは~~~!)
姫花(アルトってこんなに距離感バグってたっけ?)
姫花(いやいやいや、私が変に意識しすぎなんだ。私とアルトは大事な幼なじみ同士!)
姫花(よし! ゲームに集中!)
アルト「………」
プリンを食べながら、楽しそうにゲームする姫花を横目で見るアルト
ゲームに熱中する姫花に、内心ジェラシー
アルト「なあ」
姫花、ゲームに熱中しながら、
姫花「んー?」
アルト「そのハントさんって奴、男?」
姫花「リアルで会ったことないけど、雰囲気的に男の人だと思うよー?」
アルト「ふーん……」
アルト、姫花の肩に寄りかかる
目を丸くして驚く姫花
姫花「え、えっ、何……あ、あぁ~! 敵にやられる!」
アルト「………」
姫花、ゲームに一区切り入れ、アルトに向き直る
姫花「どうしたのアルト。なんか今日、変だよ?」
アルト「……わかんないけど」
姫花「けど?」
アルト「なんか嫌だ」
姫花「な……何が?」
しばらく沈黙
姫花(え~~~~? なんだろ……なんかしちゃったかなぁ)
アルト「……のが嫌だ」
姫花「え?」
アルト「姫花が俺以外の奴と仲良くしてるのが嫌だ」
唖然とした顔で固まる姫花
姫花「え、え……でもみちるとかとも仲良いよ?」
アルト「ハルトさんって奴は男なんでしょ?」
姫花「たぶんだけど……でもゲームのフレンドだし、悪い人じゃないし……」
アルト「今日もなんか……俺と姫花の時間、他の奴に奪われてる感じがして、嫌だ」
姫花「………」
姫花(だ、だ、駄々っ子かい!)
姫花(こんなアルト初めてなんだけど~~~!)
姫花(……でも)
姫花(なんだろ……ちょっと嬉しいような気がするのは……)
アルト、少し顔を赤らめ悔しそうにする
アルト「……わかってるよ、一方的なこと言ってるのぐらい」
アルト「でも嫌なもんは嫌なんだよ」
アルト「俺たちずっと一緒だったじゃん……」
姫花「アルト……」
姫花、優しくアルトの頭を撫でる
姫花「今日は……前からハルトさんと約束してたからさ……」
アルト「……うん」
姫花「代わりに明日はアルトと二人きりで遊ぶよ。どう?」
顔を上げるアルト
アルト「ホント?」
姫花「うん、約束」
姫花(私の幼なじみは……)
姫花(吸血鬼で)
姫花(実はけっこう甘えたみたいです)
指きりする二人
アルト「っていうか、あんまり長時間ゲームしてるとおばさんに言い付けるからな」
姫花「ひえっ。それだけはご勘弁を!」