貴方が結ぶ二重螺旋 ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
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深空迅はお見合い用のアルバムをテーブルに置き、怒りを隠さず自身の父、宗久を見た。
リビングには今、両親と兄、家族全員がそろって迅の発言を待っている。
「お見合いは電話でも断っただろ。呼び出してまで言うことか」
「断っても断っても向こうさんがしつこいんだよ。蒔田商事はパワハラ体質なのがバレて騒動になってるだろ? どこでもいいから支援してほしいんだろうなあ。仲介の社長は私も世話になったからこれ以上は断りづらいんだよ。会った上で断ったなら納得してくれるだろうからさ」
「お父さんがこんなに頼んでるんだから、一度会ってあげなさい。もしかしたら気に入るかもしれないじゃない。三十一歳にもなって恋人もいないんでしょう?」
「俺と同じでモテるはずなんだけどなあ。失恋でもひきずってるのか? お前の鉄面皮もそれが原因とか?」
からかうように兄の京司が言う。
「兄貴が見合いをすればいいじゃないか。三十五にもなって独身なんだから」
「俺は結婚前提の恋人がいるから無理」
笑顔であっさりと返され、迅は恨みがましい目を向けた。
「一発で読めない名前の女は好きになれそうもない」
麗羅華なんて、昔の暴走族が好みそうな字面だ。
「まあ、人様の名前にそんなこと言って!」
「だったら聞くが、一発で読めるのか?」