貴方が結ぶ二重螺旋  ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
「百合花さん、どこだ!」
 声を張り上げる。が、返事はない。
 迅は立ちすくんでいる倫太郎の胸倉を掴み上げた。

「ここに女性がいるな?」
 倫太郎はがくがくと頷く。

「どこだ?」
 倫太郎は震えながら指を差す。その方向には扉があった。
 迅は彼を放り出してすぐさま駆け付ける。

「百合花さん、無事か!? 俺だ、迅だ!」
 ドアをどんどんと叩き、叫ぶ。
 やがて、がちゃりと音がして、扉がそっと開かれる。

***

 どんどんと遠くから響いた音に、百合花はびくっと身を震わせた。
 さきほどまではあきらめたように静かだったのに、また龍耶が攻撃を始めたのだろうか。

 百合花を守るのは扉一枚だけ。この扉が開けられたらすべてが終わる。
 もめるような男たちの声が聞こえたあと、信じられない声が響いた。

「百合花さん、どこだ!」
 迅の声に聞こえる。本当に彼だろうか。彼を求める自身の幻聴ではないのだろうか。
 百合花がドアに寄ったとき、ドアがどんどんと叩かれた。
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