貴方が結ぶ二重螺旋  ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
「百合花さん、無事か!? 俺だ、迅だ!」
 来てくれた!
 百合花は両手で口を覆った。
 目が潤み、涙がこぼれそうになる。

 どんどんとさらに叩かれる扉の鍵に手をかけ、震えながら解錠する。
 そっと開くと迅の顔が見えて、安堵に崩れそうになった。
 気力を振り絞って外に出ると、直後に迅に抱きしめられた。

「すまない、俺の目が行き届かなかった」
 腕の中で、百合花は首をふる。
 彼はららかを百合花ではないと見抜き、助けに来てくれたのだ。それだけでどれだけ嬉しいかわからない。

「私が油断したのがいけなかったんです。ありがとうございます、助けに来てくれて」
 そう言うとさらにきつく抱きしめられた。

「迅、後ろ!」
 真哲の叫びに、迅は百合花を抱えたまた横っ飛びに跳んだ。直後、部屋にあった椅子が空を凪ぐ。
 百合花を守るように倒れ込んだ迅はすぐさま立ち上がり、椅子を手に持つ男と対峙する。
 報告書で見た顔だ。ららかの一番のお気に入りのホスト。

「西園寺龍耶だな……本名、亀周作(かめ しゅうさく)
「その名前で呼ぶな!」
 龍耶はいきりたち、椅子を振り回す。が、迅はすばやくよけて踏み込み、龍耶の腕をひねりあげて椅子を取り落とさせた。がん、と大きな音が響く。

「暴行未遂の現行犯だな」
 床に押し付けて拘束し、迅が言う。
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