貴方が結ぶ二重螺旋  ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
「警察呼ぶか?」
 スマホを取り出して真哲がきく。
「頼む」
「警察は呼ばないって言ったじゃない!」
 ららかが怒鳴る。

「『俺は』君の件に関しては呼ばない。が、こいつは別だし、君の件に関しても被害者や目撃者が通報するというのなら俺に止める権利はない」
 にやりと迅が笑い、ららかは怒りに顔を紅潮させた。

「嘘つき! 詐欺で訴えてやる!」
「詐欺罪の構成要件は満たしていない。警察は相手にしないぞ」
 冷静な迅に、ららかはさらに激高する。

「クソ男! 今に見てなさいよ!」
 叫んで部屋を逃げ出す。
「なにする気だ! こいつは頼んだ!」
 迅は龍耶を護衛に任せ、慌てて追いかける。百合花もすぐに追った。

 立ち上がる龍耶を護衛が左右から挟み、逃げ道をなくす。龍耶は悔し気に呻いた。
 残された真哲は、同じく残された倫太郎を見た。

「お、俺は龍耶さんの後輩で、命令されて仕方なく来ただけで、なんもしてないから! なにも知らない!」
 倫太郎は言い訳を叫んで大人しく降参のポーズをした。

「うん、まあとりあえず大人しくしていてね」
 どうしたものかな、と真哲は頭をぽりぽりと掻いた。
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