貴方が結ぶ二重螺旋  ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
「百合花さんはずっと我が家にいて車を運転していない。免許証は紛失した旨、届けを出している。誰かが彼女の免許証で不正に借金を作ったなら、その誰かは詐欺罪に問われる。なりすまして交通違反切符にサインをしたなら公文書偽造だ」
「なによ、それ」
 ららかの顔から血が引いて行く。

「信用情報機関への紛失の登録は間に合わなかったようだが、遺失物届けはあなたの襲撃があったその日に済ませた。契約書の日付からして法的に百合花さんの借金だとは認められず、金融会社は被害届を出すだろう」
「そんなのってないわ! 龍耶のうそつき!」

「俺のせいにするなよ!」
「あんたが百合花の名前で借金すればいいっていうから!」

「俺がやれって言ったわけじゃねえだろ、そういうこともできるって言っただけで!」
「できるわけないだろう。教唆犯……そそのかした人間も罪に問われる。仲良く警察のお世話になることだ」

 迅に言われて龍耶は言葉をなくす。
 周囲はいつの間にか警備員が取り囲んでおり、もはや完全に逃げ場はない。

「もう! なんでこんな目に遭うのよ!」
 ららかは腹立ちまぎれに近くにあった大きなアレンジメントを蹴飛ばす。螺旋に象られたそれは、がしゃん、と大きな音を立てて倒れ、花が散らばった。

「器物損壊……どうしてこうも次々と」
 迅は呆れたようにつぶやく。
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