貴方が結ぶ二重螺旋  ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
「姉が申し訳ありません」
 百合花は慌てて謝った。

「君が謝ることじゃない。が、御父君、この責任はとっていただきますよ」
「申し訳ございません」
 迅に射すくめられ、啓一は悔しそうに頭を下げる。事実上、業務での支援は求められないと悟ったのだろう。

「百合花、なんとかしなさい!」
 英里子が口を出し、百合花は母を見た。

「姉が困ってるのよ、あなたがなんとかしないでどうするの! 双子なんだから、あの子の罪はあなたの罪でしょうが!」
「そ、そうよ、妹なんだから!」
 ららかが便乗し、百合花は絶句した。

 罪をかぶれと言うのだろうか。こういうときだけ双子を持ち出して責め立てるなんて。

「……百合花さん、わかっているとは思うが、かばう必要はない。もし身代わりになるというのなら」
 迅は言葉を切り、英里子をにらむ。

「犯人隠避罪の可能性がある。教唆した者は教唆犯だ」
 言われた英里子は迅ではなく百合花をにらむ。

「恩知らず! 産んでやったのに!」
 百合花は悲しく目を細めた。

 愛されていないのはわかっていた。姉だけが愛されているのもわかっていた。
 だが、こうまでないがしろにされて、それでも母に恩を感じなくてはならないのだろうか。
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