貴方が結ぶ二重螺旋  ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
「双子だと聞いたが、妹のほうか?」
「いえ、私がららかです!」
 百合花はまっすぐに彼を見るが、彼は無表情で彼女を見つめ返す。
 暗褐色の目が厳しさを帯び、百合花は目をそらす。まるで罪人を裁くような瞳の圧に耐えられなかった。

「理由があるんだろう? 話してみろ」
「いえ……」
 言えるわけがない、姉になりすまして見合いに来たことなど。
 それより、なんとか彼との縁を繋げなくてはならない。それがららかの命令なのだから。

「あの、私、お見合いを進めていただきたくて」
 うつむいたまま言葉を紡ぐ。彼を見る勇気がなくて。
「け、結婚を、あの」
 続きは言えなかった。ららかはきっとこんなことを言わない。こんな無様を彼にさらしたと知られたら怒られる。

「緊張ではないな」
 彼から出たのは、聞くというよりは断定だった。
「ずっと怯えている。なにを怖がっている?」
「な、なにも! 緊張しているだけです!」
 百合花は首をふった。どうしよう、バレてしまう。

「……怖いのは母親と姉か?」
 百合花はびくっと震えた。迅の目がすうっと細まる。
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