貴方が結ぶ二重螺旋  ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
 この先ずっと、いたぶられて生きるのだと思っていた。
 だが、本当に助けてもらえるのだろうか。助けるとは、なにをどうするのだろう。
 考えると、いたたまれなくなってくる。

「お話を聞いてくださっただけでも嬉しいです。ご面倒でしょうから、これで私は失礼します」
 思わずそう言って腰を浮かせていた。
「待て。面倒だったら最初から連れてはこない」
 迅に止められ、百合花は戸惑う。

「しばらくこの家に滞在してもらうつもりだ。母さん、いいですね」
「私はかまわないわ」
「よし、今から君は俺の婚約者だ」
「え!?」
 言われた言葉に、百合花はまた目を真ん丸にする。

「あらあら」
 春子は満面の笑みを浮かべて紅茶を飲んだ。

「そういうていで君のご両親に話をする。偶然出会って一目ぼれしたとでも言っておく」
「なんて無理のある説明!」
 春子がくすくすと笑う。

「だが、法的には問題ない。成人した大人の本人の意志による行動だからな。警察もこれでは手を出せない」
「ですけど……」
 突拍子もない話に混乱するばかりだ。
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