貴方が結ぶ二重螺旋  ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
「君の両親に、君からということで先ほどの内容でメッセージを送った」
「お、怒られたりしないでしょうか」
「怒るかもしれないな」
 これもまた平然と答えられ、百合花は慌てて立ち上がる。
「だったらすぐに帰りませんと」

「駄目だ」
 迅はすぐさま止める。
「帰ったら保護した意味がない」
「ですが、奥様が……」
 言いかけて、はっと口をつぐむ。が、迅にはバレてしまった。

「君は母親を奥様と呼んでいるのか?」
「お母さんと呼んだら怒られるので」
 恥ずかしそうに百合花はうつむく。

「ここにいる限り、怒られることはない。帰らずにずっとこの家にいればいい」
「あらあら!」
 春子は思わずと言った様子で口元に手を当てる。その目は笑みに弧を描いていた。

 百合花はぽかんとして彼を見る。
 ずっと深空家にいるなんて、そんなことありえないのに。

「お父さんと京司……迅の兄はしばらく出張で帰ってこないから、家には私だけで寂しかったのよ。あなたがいてくれると嬉しいわ」
 百合花の心を軽くするように、春子が言う。
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