貴方が結ぶ二重螺旋  ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
 ぎぎ、とららかは百合花をにらみつけた。
 おもわずすくんだ百合花だが、その肩をがしっと迅に抱かれて驚いて彼を見る。
 安心させるように微笑みかけられ、百合花の胸に安堵の風が流れる。

「悪意だけは潤沢でいらっしゃる」
 こめられた侮蔑に、ららかの目はさらに吊り上がる。

「とにかく、あんたは一度家に帰ってきなさいよ。免許証とかどうするの」
「そういえば」
 入れ替わるとき、なにがきっかけでバレるかわからないから、身分証明になるようなものは家に置いて行っていた。

「取りに来なさいよ」
「行きません」
 百合花より早く迅が答える。

「お手数ですが、こちらが指定する住所へお送りください」
「なんであんたが指図するのよ!」
「お願いをしているのです」
 迅はあくまで丁寧に答える。

「だったら免許証は返さないわ」
「それは法的に許されない。遺失物横領罪……いや、窃盗か、今の言い方は場合によっては脅迫の可能性がある」
 口調ががらりと代わり、威圧を感じさせる声音で迅がいう。

「な、なによ」
 気圧されてららかが怯む。かまわず迅は続けた。
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