貴方が結ぶ二重螺旋  ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
「やめなくてもいいのに」
「いえ……すみません、子どもみたいにはしゃいで」

「かまわない。楽しんでもらうために連れて来たんだから」
 笑顔を向けられ、百合花の心臓が跳ねる。彼に会ってからというもの、どきどきすることが多くて困ってしまう。駄目だと思いながらも心は恋へと傾き、その傾斜は増すばかりだ。きっともう九十度を超えていて、いつ倒れてもおかしくない。

 それからも一緒にパンフレットを見て感心したり、ユリの花の前で一緒に写真をとったりしながら散策を続ける。
 ユリの花でフィギュアスケートの選手を描いてある場所もあり、池のほとりに咲くユリも見事だった。
 メインの観覧スポットである丘の斜面には一面に真っ白なユリが咲き、圧巻だった。青い空の下、白い花と緑の葉が照り輝く。

「素敵……」
 一面のユリにうっとりと見とれる。

「初めて君を見たときにもユリが咲き乱れていた」
 ふとこぼれた言葉に、百合花は彼を見上げる。

「あのとき君は泣いていた。俺は弁護士になって悪い奴を倒すと宣言した」
「やっぱり……そうだったんですね」
 百合花は喜びに目を細めて彼を見る。
 迅は照れ臭そうに目をユリに向けた。
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