クールな天才作家は彼女を激愛で溶かしたい
うわ、稲盛梓だ。

「私、先生の大ファンなんです!」

「そうでしたか。ありがとうございます」

飛鳥は彼女を見下ろしお礼を言う。

近くで見た稲盛梓は物凄いオーラを放ち華やかでなんだかいい香りがした。

すると稲盛梓は私を下から舐め回すように、それは品定めでもするかのような視線を送ってきた。

「失礼ですが、あなたは?」

え? 私?

「今回の先生の作品の出版社の者です」

私は笑顔で答えた。

すると厳しい表情から一変してパァっと明るく笑う稲盛梓。

「なぁんだ! ですよね! あははは! 彼女さんなわけないですよね!」

残念ながら一応私、彼女なんですよ。

「先生、本当にお会いできて光栄です! こんなに素敵な方があの数々の作品を書いていらしたなんて私存じてなくて、驚きました!」

なんだかいたたまれない…

そうだよね。
やっぱり釣り合ってないよね。

「あ、すみません会社から電話が来てしまったので、ちょっと失礼しますね」

私は居ても立っても居られず咄嗟に嘘をついてその場から逃げた。
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