クールな天才作家は彼女を激愛で溶かしたい
"女優の隣りでも負けてないもんね"

"わかる。でも本当二人とも綺麗過ぎてヤバい"

カチャカチャと音がするところから、たぶんメイクを直してるみたいだ。

とりあえずクラクラするし黙ってこのまま座っておこう。

そしてやっといなくなったのを見計らって私も個室から出て会場に戻ると、稲盛梓の横になんと飛鳥がいるではないか。

「あ、あす」

危な!
名前を呼んでしまいそうになった。

まだ二人は私に気付いていない。

ザワザワと辺りは相変わらず騒がしい。

「あの二人、お似合いだね」

急に隣から話しかけられる。

「流星さん…」

それは私も思っていた。
飛鳥が他の女性と話している所なんて見たくないのに、とてもお似合いだと思ってしまう。

「やめなよ彼なんて。俺にしなよ」

え…?

流星さんを見上げると私をジッと見下ろしていた。

私は慌てて目を逸らす。

この目知ってる。
飛鳥も私を見る時にこういう目をする。

この人本気だ…

でも私は…

そして私はもう一度流星さんを見上げる。

「流星さん、ごめんなさい。私、先生…、飛鳥と付き合ってます。彼が好きなんです。彼じゃなきゃ…ダメなんです…」

「里帆ちゃん…」

流星さんは眉間にシワを寄せて瞳を揺らす。



「里帆」

私は名前を呼ぶ声の方を振り向いた。
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