クールな天才作家は彼女を激愛で溶かしたい
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「なぁんだ! ですよね! あははは! 彼女さんなわけないですよね! 先生、本当にお会いできて光栄です! こんなに素敵な方があの数々の作品を書いていらしたなんて私存じてなくて、驚きました!」

俺の女に何ふざけた事言ってんだコイツは。

「あ、すみません会社から電話が来てしまったので、ちょっと失礼しますね」

隣にいた里帆が急にそう言って走って行ってしまった。

逃げやがったな。

「あ、行っちゃいましたね。先生? 今度私と遊びましょうよー」

そう言ってコイツは猫撫で声で擦り寄るように上目遣いをしてきた。

「離れろ」

思いのほか低い声が出る。

「ちょ、どうしたんですかぁ? 作品の話も是非聞きたいなぁ」

まだ言ってる。

「それなら監督や脚本家に聞け」

「やだ先生ー。ご機嫌斜めですかぁ? 私、先生に一目惚れしちゃいましたぁ」

はっ、馬鹿馬鹿しい。

「俺には里帆という立派な彼女がいる」

俺はもう我慢ならずにそう言った。

「え? 里帆?」

「ああ。さっきのが俺の彼女だ」

「んな!?」
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