クールな天才作家は彼女を激愛で溶かしたい
「たぶん…?」
たぶんかよ。
人前だろうが俺は遂に里帆を引き寄せてしまう。
周りから悲鳴に似た声が上がった。
里帆は驚いた顔をする。
それでも目と目が合い見つめながら里帆の綺麗にセットされた後毛を指に絡めクルっと回す。
「ドレスも髪も全部似合ってる」
「あ、ありがとう」
「行こうか」
「うん…」
頷いた里帆の腰に手を添えて俺は会場から出る。
「坊っちゃん! いたいた!」
げ。
支配人だ。
「これ、どうぞ! スイートのキーです」
そう言ってニヤニヤしながらキーを渡される。
「あー…ありがとう」
「ごゆっくり」
そう言ってまたニヤニヤしながら去って行った。