クールな天才作家は彼女を激愛で溶かしたい
健司とは私と同い年の幼馴染だ。

「なんで健司?」

「健司がずっと隣で睨みきかせてたの知らないの?」

「知らん」

そう言うと知佳は盛大にため息を吐いた。

「まずわかった。もうね、いちいち言わないけどあんたは桁違いの美人よ。まったく。ほら、行くよ!」

なるほど。
これはそろそろやっぱり自覚しても良いのかもしれない。

確かに母を知ってる人からは母に似てると言われる。
そんな私の母は誰が見ても美人だ。

お世辞だと思ってた。

そしてその後一度ホテルに向かい持ってきていたドレスに着替える。

黒のロング丈のワンショルダーのドレスで、2段になった大きなフリルを上から重ねて着るタイプのやつ。

先日飛鳥とこれを買いに行ったから、きっと合わせてパンプスも買ってくれたんだな。

そもそもこのドレスだって何故か飛鳥が支払いを済ませてくれたりして…

なんだか私…貰ってばっかりだな…。

髪は緩めの編み込みにして一つに纏めた。

無愛想だった飛鳥が、あんな情熱的に愛を囁いて気持ちを伝えてくれる人だとは出会った頃は分からなかったな。

何度でも思う。

鏡に映った自分を撮って飛鳥に送る。
貰ったばかりのパンプスと一緒に。


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