クールな天才作家は彼女を激愛で溶かしたい
「でも安心したわ? ほら、里帆ったらこの通り連絡も全然寄越さないし。昔、電車で痴漢に遭ったなんて聞いた時は冷や汗が出たわよ!」
電車で痴漢に!?
「お母さん! 今はもう車あるし大丈夫だから!」
そういう事情があったから車通勤だったのか…
きっと相当怖い思いをしたに違いない。
俺はまだまだ里帆について知らない事ばかりだな。
「飛鳥くんがそばに居てくれるならお母さん安心だもの。もしかして一緒に住んでたりする?」
「住んでないわよ!」
おいおい。
そんなハッキリ言うなよ。
「僕はいつでも大歓迎ですけどね」
里帆を見れば大きくて綺麗な目をかっぴらいて驚いた顔をしている。
でもこれは本当の事。
むしろ俺は早く結婚したいとさえ思ってる。
「やーん飛鳥くん、格好いい! 男前だわぁ、本当に。里帆ったら肝心な所でビビりだから、飛鳥くんがその気ならもう掻っ攫っちゃった方がいいのよ! あははは! ねえ、あなた!」
ここはカウンターの近くの席なので、親父さんはずっと手を動かしながらも黙って話を聞いていた。
「ん? ああ」
言葉は少ないが、顔を見れば口元に笑みを浮かべてフッと笑ってくれた。