クールな天才作家は彼女を激愛で溶かしたい
私はコクコクと頷いて言葉も出ないままに自分の左手を飛鳥に差し出した。

飛鳥はクスッと笑って私の手を優しく取ると薬指に指輪をはめてくれる。

こんな…夢みたいな事が自分の身に起こるなんて。

いや、飛鳥と出会えて私はそれこそずっと夢の中にいるみたいだ。

「愛してる。結婚しよう」

私をいつも以上に優しく見つめ微笑む飛鳥。

こんなに柔らかく微笑みかけてもらえるなんて、出会ったばかりの頃は想像もしていなかった。

「…はい。私も愛してます。結婚してください」

なんとか震える声で飛鳥に気持ちを伝えれば、フッとどこか安心したようにまた微笑む彼が愛しくてたまらない。

引き寄せられ抱きしめられると、その力は強くて潰れてしまいそう。

「良かった…。内心ドキドキしてた」

私の首元に顔をうずめて珍しく弱音を吐く。

「飛鳥以外なんて考えてなかったよ」

「里帆…必ず幸せにする」

「これ以上幸せになったら、私溶けちゃうよ」

「最高じゃないか」

顔を上げて私を見下ろす飛鳥はそれは嬉しそうに笑う。

敵わないな本当に。
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