クールな天才作家は彼女を激愛で溶かしたい
飛鳥はこのお城みたいな家で育ったのか。

すると玄関のドアが開いて中から黒のスーツをビシッと着こなしたダンディな男性が現れた。

その人はシルバーグレーの髪を後ろに撫で付け、口元には整えられた髭があった。

お父様かなと思い挨拶をしようと息を吸ったところで彼が口を開いた。

「坊ちゃん、お帰りなさいませ。里帆様も。お待ちしておりしたよ」

ぼ、坊ちゃん?

「佐島。急に引越しの件悪かったな」

佐島さん…。
あ、お父様じゃないんだね。
執事だ。

凄い。
本物だ。

「いえいえ。とんでもございません。佐島に出来ることはなんなりとお申し付け下さい」

「いつも助かるよ。親父とお袋は?」

「中で首を長くしてお待ちになってますよ。シェフも腕を振るって待ってます」

シェ、シェフ!?

執事にシェフに凄いな。

「里帆、行こう」

そう言われて私はハッとする。
呆気に取られてた。

「佐島さん。私、飛鳥さんと婚約させていただきました里帆と申します。よろしくお願いします!」

私はまず佐島さんに挨拶をした。
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