クールな天才作家は彼女を激愛で溶かしたい
そして再び車を発進させ役所に向かって、婚姻届を提出して私たちは正真正銘の夫婦となった。

「へへ。嬉しい」

そう言って笑えば、役所から出た直ぐ入口のど真ん中というのに飛鳥は私にキスをする。

見ていた周りの人が息を呑むのが分かって、私は慌てて飛鳥の手を取り走る。

「そんな走らなくても」

「もう! 入口の真ん中はダメでしょ!」

「クククっ、んじゃどこならいいんだ?」

そう言って飛鳥はイタズラに笑う。

「か、帰るよ!」

「はは。帰るか、俺たちの家に」

俺たちの家…

そっか。

私が帰る場所はこれからは、あの飛鳥が住んでいた家になるんだ…

なんだかそれがまた嬉しくて、泣きそうになる。

「俺たちの家…」

「ああ、そうだろ?」

飛鳥は泣きそうになって立ち止まる私の頭をポンポンと優しく撫で顔を覗かせる。

飛鳥…

こうやって直ぐ私を甘やかす。

「うん。帰ろう? 私たちの家に」

飛鳥はそれは嬉しそうに微笑みまた軽いキスをして私の腰に手を回し歩き出した。
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