クールな天才作家は彼女を激愛で溶かしたい
そして気を取り直して調理を再開する。

やっぱり里芋を煮る時は吹きこぼれに要注意だ。
一瞬のよそ見が命取りだとオカンにも言われていたじゃないか。

実は私の実家の両親は小料理屋を営んでいて、私が高校生の時は有無を言わさず店の手伝いをさせられていた。

でもそのおかげで料理は人に出しても恥ずかしくない程には出来るようになったし、コミュニケーション能力も接客を通して身についた。


「先生、里芋、お醤油で煮たやつと、甘い味噌で味付けしたのどちらが良いですか?」

先生はカタカタと綺麗な指を動かしながら黙っている。
ん?
聞こえなかった?

「味噌…かな」

あ、聞こえてた。

「はぁーい」

私も好き。
あなたが好き。

っていいいから!
このバカちん!

久しぶりにウキウキして舞い上がってるな。

しかも相手は原始人スタイルだぞ。
ふふふ。
原始人だろうがなんだろうが素敵なのよ!

誰にも理解されなくたっていいのよ。
例え今は心の中でひっそりと想ってるだけでも。

私は先生が好き。
それでいいじゃない。
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