クールな天才作家は彼女を激愛で溶かしたい


それに今の状態の俺を見たら一発で向こうから逃げるだろう。

でもな。

試しに会ってみるか。

待ち合わせ場所のホテルへと向かい、先に着いているだろう女の待つ部屋のチャイムを鳴らす。

ガチャっとドアが開いて、ボサボサの俺と目が会う。

「あんた誰よ。こんなキモい奴呼んでないけど」

そう言って何度も身体を重ねた俺に気づく様子もない。

ほらな。
これがこの女の本性だ。

「ククククッ」

「イタズラなら警察呼ぶわよ!」

俺は目の前で髪を一つに結って、瓶底の眼鏡を外して見せる。

「俺だけど」

「え!? や、やだー! 久しぶりだったし、誰かと思ったじゃなぁい」

急に態度が変わる女。

嫌いだな、やっぱりこういうタイプは。

「お前とはこれまでだな」

俺はそれだけを言い残してその場を後にした。

でもこれがやっぱり正常な反応じゃないか?

余計にあの彼女の本心が気になって仕方なくなった。

その後他の女もどうでも良くなり一斉送信で縁を切った。
< 86 / 313 >

この作品をシェア

pagetop