パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 一度大きく深呼吸をしてから、バス停に向かって歩き出す。
 するとその時、琉星がつないでいた私の手を引っ張った。

「ママ、バス」
「え?」

 琉星が指差した方を見る。乗車予定だったバスが、バス停から出発したところだった。

 嘘でしょ……。
 私は肩を落とし、ため息をこぼした。

 次のバスは、三十分以上先だ。だけど、私の家までは子どもを連れて歩いて帰れる距離にない。

「ごめんね、瑞月、琉星。次のバスまで待とうね」

 気持ちを切り替え、子どもたちにそう言った。だけど、瑞月も琉星も唇を尖らせる。

 それで、子どもたちにより申し訳ない気持ちになった。伊澄さんがいることに気を取られて、時間確認を怠った私が悪い。

「ごめんね」

 今度はしゃがんで、ふたりに目を合わせそう言う。すると、不意に肩を叩かれた。

「千愛里、車じゃないのか?」
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