パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 伊澄さんは、大切な人。それだけでいい。
 彼との未来は、夢にすぎない。彼ともう一度なんて、あり得ない。

「ママ、ごめんなさい」

 琉星もこちらにやってきた。琉星は涙目で、首に下げていたなにかをこちらに差し出す。
 きらりと光るそれは、私が伊澄さんにもらったペアリングだ。

 それも受け取り傍らに置くと、私はふたりをまとめてぎゅっと抱きしめた。

 私にとって今、なにより大切なのはこの子たちだ。過去の恋に引きずられて、それを忘れてはいけない。
 伊澄さんと会うのは、今度こそ最後にしよう。

 そう誓いを立て、泣きやんだ子どもたちにとびきりの笑みを向けた。

「早く準備しないと、伊澄さんがきちゃうよ!」


 車のエンジン音が自宅の前で止まると、子どもたちは玄関を飛び出した。準備を済ませた後、子どもたちは待ちきれずに靴を履き待っていたのだ。
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