パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 思いもよらぬ彼の言葉に、続きを飲み込んでしまった。目に力を入れていたことも忘れてしまう。

 ほろりと、涙が頬を伝う。私は慌てて彼に背を向け、指で涙を拭った。
 それなのに、背中に優しい声が降ってくる。

「隠さないでいい。あの日のあの言葉も、嘘だったんだろう?」

 その優しい口調に、涙があふれてしまった。私は必死にそれを落ち着けようと、ゆっくりと呼吸する。
 にもかかわらず、伊澄さんは続けた。

「アラスカから戻ったら、千愛里はどこにもいなくて。再会して、子どもがいると知って、あの日の言葉は嘘じゃなかったのかもしれないとよぎった。でも――」

 伊澄さんはそこまで言うと、上下する私の肩にそっと手を置く。

「伊澄ジュニアを大切に持っていてくれた。それで、確信したんだ。あの子たちは、俺の子だろう? 岩国の、あの夜の」

 そう言う彼の口調の柔らかさに、張り詰めていたなにかがぷつりと切れてしまった。

 涙を止めようと必死なのに、全然止まらず流れ続けてしまう。吐息が震え、苦しくなった。
< 131 / 292 >

この作品をシェア

pagetop