パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 コーヒーを淹れ、ソファに座る彼に差し出した。彼はローテーブルに置かれた伊澄ジュニアと指輪をじっと見ていたけれど、私に気づいてにこりと微笑む。

「ありがとう」

 思わず高鳴った鼓動を隠すように、私はさっと彼の斜め前に腰かけた。

 それから、私は今までのことを全部話した。

 結婚は家業を守るために、仕方なく受け入れたこと。伊澄さんを巻き込みたくなくて、わざとひどい言葉で別れを伝えたこと。その後妊娠が発覚し、父に勘当されこの地へやってきたこと。

 伊澄さんは私の話を真剣に聞いてくれた。

「あんなにひどい言葉を投げてしまって、本当にすみませんでした」
「事情があったんだから、仕方ないだろう。むしろ、ありがとう。全て、話してくれて」

 話し終えた後にもう一度謝ると、伊澄さんはそう言って微笑んでくれた。
 しかしすぐ、彼は表情を曇らせる。

「大変な思いをしていたんだな。そのうえ、出産に子育てまで。……そばにいたかった」

 彼の言葉に、私は首を横に振った。あの日、彼を突き放したのは私だ。
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