パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 瑞月と琉星は見慣れない雰囲気の店内を、きょろきょろと見回している。

「素敵なお店ですね」

 そう言うと、伊澄さんが笑みを浮かべた。

「ああ。懇親会で来たんだが、なかなか美味しい店だ」

 伊澄さんがそう言った時、「あ」と女性の声がした。

「ママのおともだちの、おねえちゃん!」

 そう言ったのは瑞月だ。カウンター席に、以前買い物時に鉢合わせた、伊澄さんと親しそうだった女性が座っていた。
 気まずい気持ちになりながら、ぺこりと会釈する。

「ママのおともだちじゃ、ない?」

 瑞月は私たちの間にある微妙な空気を読み取ったらしい。不安げな顔で、私を見上げてくる。

「うん。あのお姉さんは、伊澄さんの――」
「仕事仲間の、楠木聖華(せいか)です。航空自衛隊で戦闘機の整備員をしています」

 彼女は立ち上がり、私たちの前に来ると堂々とそう言った。
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