パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「ごめん、間違えちゃったみたい」

 そう言いながら、不安げにこちらを見つめる瑞月と琉星に、無理やり笑みを作って向けた。

 だけど、そこでも思う。ふたりとも、こんなに伊澄さんに似ている。どんなに『違う』と言ったって、彼が気づかないはずがない。

 最初の買い物の時から彼があんなに優しかったのは、伊澄さんの〝父親としての責任〟――。

 お手洗いから出ると、すぐ近くで伊澄さんが待っていた。楠木さんは、もういないようだ。

「ただいまー!」

 瑞月がそう言って伊澄さんに駆け寄る。彼は瑞月に気づくと、弾けるような笑みを向けた。

「出発前にトイレなんて、しっかりしてるな」

 伊澄さんはそう言って、瑞月の頭をよしよしと撫でる。琉星も駆け寄ると、伊澄さんはしゃがんで、ふたりの頭を優しく撫でてくれた。

「お待たせしてしまってすみません」
「いや、全然」

 私の声に、伊澄さんはそう言いながら瑞月と琉星と手をつないでくれる。
 どうやら彼は、待っている間にお会計も済ませてくれたようだ。
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