パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「今日もありがとうございました。子どもたちが楽しそうで、嬉しかったです」
「千愛里も、楽しかったか?」
「はい、もちろん」

 優しい笑みで訊ねられ、私も彼に微笑み返した。
 胸の内にある複雑な気持ちは、伊澄さんに悟らせてはダメだ。

 こんなに優しい人だから、任務がどんなに大変でも会いに来てくれる。責任感の強い彼だからそうしてくれるのだろうけれど、それでは負担が大きすぎる。
 今はとにかく、距離を置こう。

 私は、再び車に乗り込み去って行こうとする伊澄さんを呼び止めた。

「伊澄さん、あの」
「どうした?」

 彼は運転席の窓を開け、優しく微笑む。私は無理やりに笑みを浮かべ、そっと口を開いた。

「お休みの日はしばらく、こうして会えないと思います」

 すると、伊澄さんの顔がわずかに歪む。

「なにか、気に障るようなことしたか?」
「いえ、そういうわけではなくて。ただ……休みの日にまとめてやっていた家事が、このところなおざりになってしまっていて」
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