パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 なんとなく丸部キャプテンの飛行機を見たくなって、休憩に差し掛かった私はデッキへとやって来た。

 するとそこでは、ちょっとした航空ショーが繰り広げられていた。
 Fー15が四機、空に向かって飛んで行くところだったのだ。

 轟音とともに、Fー15は二機ずつ編隊を組んで急上昇してゆく。
 デッキにいた何人かがカメラのシャッターを切り、別の人からは歓声があがる。

 あの中に、伊澄さんがいるかもしれない。これから、過酷な任務をこなしにいくのかもしれない。

 だけど、私がなにも言わなければ、きっとなんでもないふうに笑って、今日も私のもとに来てくれるだろう。
 いつものように車に乗せてくれて、保育園とスーパーに寄って、家まで送ってくれるだろう。

 そう思ったら、気がとがめた。彼のために、私はどうしたらいいのだろう。
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