パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 伊澄は目を見開いた。ブルーと戦闘機の競演なんて、前代未聞だ。現に、提案した時には本部内の全員がぽかんとし、ふざけるなと言いたげな視線すら食らった。

 だが、伊澄はFー15配備の周知、及び滅多にないコラボレーションで話題になると、実行出来るなら自分が飛ぶと、自案を推した。
 なにより、この方法なら千愛里の戸惑いを消せるほどの愛を届けられると思った。

「通常の任務に加え、ブルーの飛行訓練への参加許可を出す。しばらく松島との往復になる。心して挑め」
「はい」

 伊澄は内心ガッツポーズを決めながら本部を出た。今度こそ本当に、千愛里のために空を飛べるのだから。

 千愛里には少しの期間会えなくなるだろうけれど、彼女の生活を守るため、今は会わないほうがいい。
 訓練で忙しくなるなら、むしろ好都合だ。きっと自分は、千愛里に会いたくなってしまうから。

 今日の空は、すっきりと晴れている。
 航空祭でブルーが飛ぶ空も、こんなふうに晴れていてほしい。
 そう願いながら、伊澄は空を見上げた。
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