パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 こんな未来も、ありなのかもしれない。
 ふとそう思い、頭に伊澄さんを思い浮かべた。

 彼の愛を受け取りつつ、彼に責任を感じさせない在り方。一緒にいることだけが家族じゃないし、離れていても愛がある。
 少し寂しいかもしれないけれど、彼の負担にならないのならそれでもいいなと、ふたりを見ていて思ったのだ。

 新たな選択肢の未来を想像していると、不意にポケットに入れていたスマホが鳴った。私は丸部キャプテンに断って、その場を離れ電話に出る。

「もしもし?」
『千愛里、航空祭に来てるんだろう? 黒木さんに聞いた』

 電話の主は大雅だった。彼のスマホの後方からは、私のところと同じフロア音楽が流れている。
 大雅も例年通り、航空祭に来ているのだろう。

「うん、いるよ」

 そう言うと、彼は続けた。

『格納庫の文字、航空自衛隊の〝航〟のとこ。その前あたりの駐機場、最前列にいる』
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