パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「オージさんって?」
「空賀さんのタックネームだよ。自衛隊のパイロットって、名前とは別に空の上での名前を持っててさ。空賀さんは王子様然とした見た目と行動で〝オージ〟って付けられたらしいよ。まあ、あれだけイケメンだもんね」

 彼女はどうやら、彼の顔も知っているらしい。

「空賀さんって、有名人なの?」

 思わず訊くと、同僚は微笑んだ。

「もちろん。あの甘いマスクな上に〝王子〟だよ? 彼のおかげでブルーインパルスに女性ファンが増えたっていうくらい」
「そう、だったんだ……」

 つい、そうこぼす。
 確かに、彼は格好良くて礼儀正しくて優しかった。その上親しみやすく、話すのが楽しかった。

 私はすごい人に助けてもらったらしい。思い出すと、また頬が勝手に緩んでしまう。

「なんだか、嬉しそうだね」
「うん。楽しかったから」

 胸に残る、彼の笑顔と優しさを思い浮かべながら、私は業務を再開した。
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