パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 杉下建機との契約で、帆風鉄工の業績は保たれているらしい。だけど、グループ傘下になる予定だった神崎電機工業があまり具合の良くない会社で、その火消しが思いのほか長引いていたという。

 大雅はそのことを知っていたけれど、私に心配をかけまいと伝えていなかったそうだ。

 父の倒れた原因の一端は、私にもある。それを知り、心咎めを感じた。
 会社存続のために走り回っていた父に、さらに苦労をかけてしまったのだ。

 沈んだ気持ちと共に、日の暮れた小松市街を大雅の運転で走る。大雅は私の実家の前で、私たちを降ろしてくれた。

「お父さん!」

 まだ眠そうな瑞月と琉星を両腕に抱え、慌てて自宅に飛びこむ。
 父は、和室の客間に敷かれた布団の上に横たわっていた。

「お前にその名で呼ばれる筋合いはない」

 父はそう言いながら、のそのそと起き上がる。

 その様子に、私は胸を撫で下ろした。
 頬は私の知っている父よりもこけていて、肌も青白い気がするが、それでもちゃんと生きていてくれたのだから。
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