パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「え?」

 思わず伊澄さんを見る。すると彼は、子どもたちと手をつないで立ち上がった。

「電車で帰るって聞いていたから。千愛里は免許を持ってないって言ってたから、ここからでも迎えに来られないかと思って。楠木とは、たまたま会っただけだ」

 伊澄さんは優しい顔で、私にそう言った。
 何時に帰るかは伝えていないから、もしかしたら、長いことあそこで待っていてくれたのかもしれない。

「すみません、お疲れのところ」
「いいんだ。千愛里が昨日答えてくれたから、今まで以上にそばにいたいと、思ったんだ」

 その笑みに、言葉に、彼の愛が伝わってくる。

「ありがとうございます」

 頬が緩み、素直な気持ちでそう言うと、伊澄さんはそんな私を見てくすりと笑った。
 それからもう一度しゃがみ込み、子どもたちを両腕にひょいと抱き上げる。

「あっちの駐車場に、車を止めてあるんだ。このまま行くぞ」
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