パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 黙り込んだままでいると、彼女は再び口を開いた。

「答えられないなら、あなたから身を引いてください。私は、彼のこと本気です」

 彼女は強い口調でそう言うと、私の前から駆け足で去って行く。だけど私は、その場で立ち尽くしてしまった。

「ママ、おそいー」

 背後から瑞月の声がして、慌てて振り返った。
 伊澄さんが子どもたちを抱っこしたまま、戻ってきてくれたようだ。

「ごめん、今行く」

 慌てて三人のもとへ駆け寄り、今度は並んで歩き出す。

「どうした?」
「ちょっと、落とし物をしただけです」

 慌ててそう言い訳をしたけれど、私の胸の内は鬱々としていた。

 彼とお付き合いするのは、私でいいのだろうか。戦闘機パイロットである彼と共に、私は生きてゆけるのだろうか。

 駐車場で彼の車に乗り込み、彼の運転に揺られる。車内にはあのロックンロールが流れていた。
 それで子どもたちはケラケラ笑うし、伊澄さんも白い歯を見せて笑った。
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