パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「最近、楽しそうね」
「はい。悩みも無くなりましたから」

 あの事件の後、黒木さんは丁寧に謝ってくれた。
 だけど、琉星も無事見つかったため、この件はもう気にしないで欲しいと伝えた。

 黒木さんには今までもたくさんお世話になっているし、あの件があったから伊澄さんに対する不安も断ち切れた。私自身が、変わるきっかけにもなれたのだ。

 温かいカフェラテを受け取り、私は今日も茨城空港の展望デッキに出た。
 吹いてくる風が、だいぶ冷たい。もう、クリスマスも目前だ。空港内には大きなツリーも設置され、館内には静かにクリスマスソングが流れている。

 だけど、心は温かい。ホットカフェラテを喉に流し込みながら、私は滑走路の向こうの百里基地を眺めた。

 伊澄さん、今日もお疲れ様です。そう、心の中で彼に呼びかける。

 今日、彼は当直らしい。あそこに彼がいるのだと思うと、私も心を引き締めなければと思う。
 彼を想い、常に笑顔でいられる、強い恋人でありたい。

「よし」

 私は気合いを入れ、子どもたちのお迎えに行こうと踵を返す。するとデッキの出入口に、小柄な女性を見つけた。
< 253 / 292 >

この作品をシェア

pagetop