パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「信頼している。整備員としての、楠木を」

 伊澄に笑みを向けられ、楠木はため息をこぼした。それはまるで、泣きそうになった彼女自分を咎めるように、伊澄には見えた。

「私がしているのは、整備員としては当たり前のことです。ねじ一本でも住宅街に落としたら、大変なことになりますから」

 楠木は洟をすすり、唇を噛みしめる。
 彼女は強く、繊細だ。そんな彼女の整備は、これからも空を飛ぶ皆を支えてくれると思う。

「抜かりない整備を、これからも頼む」

 伊澄はそう言って、彼女の小さな肩を軽く叩く。

「私の入る隙なんて、ないんですね」

 ぽつりと、小さな声でそうこぼした楠木は、目元をグレーの隊服で擦ると、ぎろりと伊澄を睨んだ。

「もう今日の任務終了したんですよね、だったら今すぐ彼女に会いにいったらどうですか?」
「は……?」

 面食らった伊澄は、きょとんとしてしまう。だけど彼女は伊澄を睨んだままだ。
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