パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 その覚悟を、父にも伝える。

「私は伊澄さんと生きていきたい。だけど、時々小松には帰るようにするから」

 あの日、父の様子を見て思ったことだ。また倒れられたらと思うと、私も気が気じゃない。
 しかし、父は首を横に振った。

「私のことは気にするな」
「でも――」
「千愛里は千愛里の人生を、きちんと生きなさい」

 私に心配する言葉を言わせず、遮って伝えられた言葉。突き放す様にも聞こえるが、私には違って聞こえた。

 あの日、父の意向に従わず、彼の子を身ごもり怒らせてしまった。
 そんな私に父が投げてくれたこの言葉から、私は父の愛と優しさを感じたのだ。

「はい」

 思わずこみ上げた涙を引っ込めるようにそう言って、父に頭を下げる。

「ありがとうございます、お父さん」

 伊澄さんがそう言って、隣で頭を下げた。
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