パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 父はなにも言わない。それが、きっと伊澄さんを認めてくれてのことなのだと、私は感じた。

「じーじ、またくるね」

 玄関で靴を履き終えた瑞月が、玄関先に立つ父にそう言って手を振った。

「じ、じーじ……」

 父は面食らっていたが、それは私も同じだ。
 子どもたちにはじいじだと伝えていたが、それを口にするとは思わなかった。

「じーじ、ばいばーい」

 瑞月につられて、琉星も父に手を振る。ふたりの笑顔につられたのか、父も小さく手を振り返す。

 また少ししたら、小松に戻ってこよう。遊びに来たよって、気軽な感じで。
 そう思いながら、私は実家を後にした。


「少し寄りたいところがあるんだが、いいか?」

 伊澄さんは実家を出ると、そう言って高速とは反対にハンドルを切った。
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