パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 体験後のシミュレーターを片付け終える頃には、閉館時間を迎えていた。館内を歩くけれど、大雅も空賀さんも見当たらない。

 残念な気持ちと安堵がないまぜになりながら、館内を見回り閉館作業をする。
 それを終え、従業員出口から外に出たところで、私は立ちすくんだ。博物館入口の軒の下で、大雅と空賀さんが私を待っていたのだ。

「お疲れ様」

 ふたりに声をかけられるが、驚いた私は動くことができない。すると、ふたりは連れだってこちらにやってきた。

「君を待ってたんだ。少し、話せる?」

 大雅よりも一歩前に出た空賀さんに優しい瞳でそう告げられる。途端に、鼓動が早まった。

 こんなこと初めてでどうしていいかわからず、ちらりと大雅を見る。すると、彼ににこりと微笑まれた。

「はい、平気です」

 どぎまぎしながらそう答えると、彼はほっと安堵したように吐息をもらし、口を開いた。

「彼から、君のことを色々と聞いた。勝手に、すまない」

 空賀さんが大雅をちらりと見る。大雅は私に「ごめん」と伝えるように、眉を八の字にした。
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