パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「あ、あの、今――」
「俺は君を、好いている」

 おかしい。そんなはずはない。これは、夢?

「君に会うために、ここに来ているんだ」

 彼の唐突な告白に、頭がパンクしそうになる。
 じっと私を見つめる優しい笑みに彼の本気を感じ、私はその場で固まってしまった。口を開けたまま、ぱくぱくと動かすだけしかできない。

 だけど、しなければならないことはひとつだ。私は恋ができないのだから、お断りしなくては。

 そう告げようと息を吸い込んだ時、首から下げていたピッチが震えた。これは、操縦シミュレーター体験希望者が来た合図だ。

「ごめんなさい、行かないと」

 私はふたりに断って、高鳴る鼓動を抑えるように深く呼吸をしながら、慌ててシミュレーターへと向かった。
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